ITCフォーラム 第2回講演会に行ってきました。
以下のフォーラムに参加してきました。
ITCフォーラム 第2回講演会
「図書館Webサービスにおけるユーザーインタフェースの新潮流」日時 2009年 1月30日 (金) 16:00〜18:00
場所 東京大学情報基盤センター(本郷・浅野キャンパス) 3F 大会議室
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_13_01_j.htmlプログラム
16:00〜17:00 吉川日出行氏 (みずほ情報総研 コンサルティング部)
「図書館サイトにおけるファインダビリティ
〜NDLナレッジ提供サービスのユーザインターフェース要件
調査から〜」
17:00〜18:00 前田朗氏 (東京大学社会科学研究所図書室)
「既存図書館システムの『外付け』でユーザサービス向上を
図る 〜『図書系職員のためのアプリケーション開発講習会』
成果を例にして」
参加者は、スタッフをいれて20人強でしたでしょうか。
私の理解した範囲で、かいつまんで、レポートをしてみたいと思います。
今回のテーマは、清田@東京大学さんが企画されたのだそうです。
吉川さんの講演は、NDLのナレッジ提供サービスのユーザインタフェースの調査結果の内容を要約したものでした。*1
- 探し方が明確・不明
- 検索の目的が明確・不明
の2軸に分けて情報要求を整理して、NDLのナレッジ提供サービスを分析したとのこと。
印象的だったのは、以下の2点です。(私の理解ではですが。):
- NDLのナレッジ提供サービスのユーザインタフェースとして、NDL当該サービスのヘビーユーザ、ライトユーザともに使いやすいものを目指す。つまり、ユーザの検索スキル等でユーザインタフェースを異なるものを提供する方向ではなく、ライトユーザをヘビーユーザのレベルまで押し上げられるようなユーザインタフェースが(今のところ)よいのではないか。
- NDL自身で検索サービスをするのはもちろんのこと、これからは、データ自身をAPIとして提供して、ほかの機関・利用者が使いやすい方向にもっていくとよい。
質疑応答で出たのでなるほどーと思ったのは、以下の話:
- Q:APIを公開しても、なかなか利用されないという現実があるが、なにかよい方策はあるか?
- 吉川:APIを公開した側が「提供するAPIを使ってマッシュアップしたツール」も作成して提示することも必要である。高校生や大学生にツール作成コンテストなんてものをやってツールをいろいろ作ってもらうなんてのもありかもしれない。
確かに、いろんな面白いAPI利用例があるといいですよね。
前田さんの講演では、いままで東大の図書館員を対象として行ってきた
「図書系職員のためのアプリケーション開発講習会」での成果をもとに、すでにある図書館システムを変更することなく、外付けで利用者サービスを向上させる可能性についての講演でした。
外付けというのは、既存の図書館システムには手を加えないというところにあり、FireFoxのアドオン、ブックマークレット、ガジェットなどなどを駆使してアプリケーションを開発するということです。
この講演で使われたプレゼン資料はhttps://mbc.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/lecture/
で提供されています。
成果をみるといろいろ自分でも試してみたいなと思うものがあって、システム開発心(?)をくすぐられました。
それにしても、10年前には、アプリケーション1つ開発するのもいろいろ面倒だったけど、最近はいろいろお手軽に開発できる環境がととのってきたのだな〜と思いました。
質疑では、私も質問しました:
- 江草:今回紹介された中だけでも、いろいろ便利そうなアプリケーションがありましたが、実際に図書館の利用者へこれらのアプリケーションの利用を促すようなことは何かされていますか?
- 前田さん:メールマガジン(登録者700人くらい)*2に流す程度です。
このときに、中川先生@東京大学から、結構いいものができたからこれからはもっと積極的に広報してもよいかもといったお話もありました。
ほんと、私が東大にいたら使いたいと思うものがいくつかあったので、存在を知ったら使いたいと思う利用者はきっといっぱいいると思うのですよね。ただ、そうすると、利用者からうまく動かないなどのサポート体制などを整える必要がでてきたりとありそうですが・・・。東大のリテラシー授業とかで使ってもらうとかありなんじゃないかなあ。
*1:詳しくはナレッジ提供サービスのユーザインターフェイス要件調査報告書を参照のこと。