デジタルデータの長期保存 についてのワークショップ

デジタルデータの長期保存 についてのワークショップに行ってきました。
http://daf.lib.keio.ac.jp/index.php/jpn/News/node_336

光ディスクの劣化する仕組みがとてもわかりやすくてよかったです。ようは、水分(湿度)、光(日光が特に×)、断面への物理的接触この3点に気をつけるということでした。

  • 水分については、適切な湿度にする。(水分で金属部分が腐食してしまうため)
  • 光については、暗い所におく(日光はもちろんのこと、蛍光灯の光もなるべくあてないでおくにこしたことはない)。(光で色素部分が劣化してしまうため)
  • 断面への物理的接触については、一枚づつプラケースに入れること。スペース減のために不織布タイプのものにいれるなんてあるが、あれはだめとのこと。布の接着成分がカバーについてしまって、カバー層の白濁の原因になってしまうのだとか。(読み取り面が白濁してしまうため)

3年ごとにエラーレートを計測して、状態のわるいものはマイグレートする必要があるとのこと。状態がよい悪いについては規格JIS Z 6017(電子化文書の長期保存方法の規定)で閾値が提示してあります。閾値だけでなく、保管場所の条件等いろいろ参考になりそうです。

でも、このエラーレート測定する装置は高い(具体的な金額は聞かなかった)のだとか。エラーレートを調べたい場合は、それを調べてくれる専門の業者に頼むことになるんだって。まあ、頼む時は状態の悪いものはマイグレートするってのとセットで頼む形になるんでしょうね。でも、そんな金ないってのがつらいところで、どうやって上を説得してお金を確保するかってことですよね。

どれくらいの量を保存するかという規模にもよると思いますが、うちの図書館が持ってる電子ファイルくらいの量だと、RAIDのHDで動かしておいて、ネットワーク上の別の場所に設置したHDへ2重、3重でミラーリングするってのが良さそうだと思うんだけど(実践しているわけではないですが)。難点は電気代がかかるってことでしょうか。今はなにも対策していないので、そろそろ本腰を入れて対策しないとなあ。マイクロフィルムもあるので、最悪マイクロフィルムからってことができるとわかっているので、安心してつい後回しになっているという現実はあるのですが・・・。

HDと磁気テープのお話もありました。磁気テープのメディアの値段は保存できる量を考えると、実はコストパフォーマンスがよいのだとか。だけど、磁気テープのドライブがお高いものなので、かなり大量の電子ファイル(数百Tくらい?)の保存ニーズがないとうまみが少ないよなーと思っています。